りんかい線の八潮車両基地では、車両の検査・整備を行い、車両の安全管理や乗り心地の改善に取り組んでいます。
なお、車両には異常を検知するモニター装置を設け、安全運行に努めています。
車両の定期検査
りんかい線の車両定期検査の種類と検査周期は次のとおりです。
・列車検査
6日を超えない期間ごとに1回実施
・機能保全
90日を超えない期間ごとに1回実施
・指定保全
走行距離60万キロ、または4年半を超えない期間ごとに、機器の動作確認や走行装置の在姿検査等、指定した機器の検査を実施します。
・装置保全
走行距離120万キロ、または9年を超えない期間ごとに、集電装置、走行装置、各電気機器、ブレーキ装置、車体等の検査を実施します。
・車体保全
走行距離240万キロ、または18年を超えない期間ごとに、装置保全に相当する検査を実施するとともに車体の修繕や、劣化部品の取替、主要な電気機器の更新を行い車両の機能を回復させます。
・臨時検査
故障や事故、改造した車両を使用する際に実施します。
非常通報器
各車両に設置されています。車内で異常事態が発生した時に、お客さまに非常通報器のボタンを押していただくことで、乗務員に警報音で異常事態を通報する装置です。
乗務員は制御伝送装置の車号表示および各車両の車側灯(黄色)で非常通報機が動作した車両を確認し、当該車両に駆けつけ異常事態に対処します。
防護無線
乗務員室に設置されています。乗務員が異常(架線垂れ下がり、線路内に人立ち入り等)を認めた時、急きょ付近の列車を停止させるための信号を送る装置です。
乗務員が防護無線に設置してあるボタンを押すことにより、数キロ四方の列車に対し、停止信号を無線で送ります。
制御伝送装置
乗務員室に設置されています。この制御伝送装置のモニターは、非常通報器の動作車両、ドアの開閉状況の表示、制御装置・ブレーキ装置・保安装置の状態確認や、車内温度や車内案内等サービスに関する表示や設定を行うことができます。
また、この制御伝送装置において、運転に関する状況の記録も行っています。
列車無線機
乗務員室に設置されています。運輸指令から運転士・車掌に対する指示、事故情報および地震情報等の伝達や、運転士・車掌からの現地情報をリアルタイムで運輸指令に報告するための装置です。
パンタグラフすり板測定装置
車両が基地に入る際、架線上部に設置したセンサーから超音波を照射し、摩耗部分の厚さや形状を計測してパンタグラフの状態を監視しています。
異常を検知した場合は警報が鳴動して担当者に知らせます。
また、計測データは車両管理システムに送られ、取替時期計画等に役立てています。
車輪形状計測装置
車両が基地に入る際、レール間に設置したセンサーが車輪の形状や厚さ、摩耗量を計測して車輪の状態を監視しています。
異常を検知した場合は警報が鳴動して担当者に知らせます。
また、計測データは車両管理システムに送られ、車輪削正計画の策定に役立てています。
車輪削正
強いブレーキをかけたときに車輪が滑走(ロック)し、レールと擦りあうことによって踏面の一部分だけが削れて平面になってしまうことを「フラット」と言います。
フラットが発生すると車輪の回転に伴って、走行時に「ゴト・ゴト・ゴト…」という音と振動が発生する原因となります。
計画的に削正することで車輪を円形に戻すとともに、正規の形状を保ちます。
4 線路に関する安全管理